【医師から聞いた話】C型肝炎治療薬『マヴィレット』と処方条件

病気&ケガ

慢性腎不全の叔母がC型肝炎の治療薬『マヴィレット』を処方されたというのは前回の記事でお話ししましたが、今回はマヴィレットについて少しお話したいと思います。

ちなみに今回のお話は、担当医の方に聞いたお話とマヴィレットを販売している製薬会社の資料を基にお話ししています。

全てが正しいというわけではなく、患者さんの状態によっても変わってくると思うので、治療を検討している方は受診して相談してみてくださいね。

マヴィレットとは?

このお薬はアッヴィという製薬会社が製造しているC型肝炎の治療薬です。市販されているものではなく病院で治療に必要であると判断された場合に処方されるお薬となります。

一度処方されたら何が何でも最後まで飲み続けなくてはなりません。だから余ったからと言って誰かに譲ったりしては命にか関わります。双方ともにです!

マヴィレットを飲む事によって、C型肝炎性の肝硬変(全ての人ではありません)を起こしている患者さんに投与する事で、ウイルス血症の改善を行うための薬です。

医師の話だと飲み続ける事でウイルスを攻撃する事ができます。最終的にはウイルスの検査をした時に規定値以下になれば陰性と判断され、完治したという事になるわけです。

多少肝硬変を起こしていても肝臓が元気であれば治療を行う事もあるようです。これも担当医師が言っていましたので、肝硬変を発症しているという方でも治療を受けられる事もあります。

それでは次に、このマヴィレットという治療薬が処方される条件に付いてをご紹介していきましょう。

あくまでも叔母が実際に担当医師に聞いた話をもとにしているので、私も大丈夫かも!と思わないようにしてくださいね!必ず医師に相談をして検査をしてからにしましょう。

C型肝炎にタイプがあるって初めて知りました!

叔母の場合はです。叔母は軽度の肝硬変になっていました。脾臓もその影響で大きくなっていて血液にいろいろと問題が起こっていたのも事実でした。

マヴィレットはウイルスを攻撃する強いお薬ですので、肝機能が低下していると投与できないお薬なので、そこだけが心配だったのですが幸いにも検査の結果が良かったので治療に踏み切りました。

ちなみにC型肝炎にはタイプがあるようです。セロタイプ1型、2型があり、セロタイプ1型にはジェノタイプ1Aと1Bがあります。

もう一つの2型にはジェノタイプ1Aと1Bがあるのですが、日本人に多いタイプは1型の1Bが最も多く、7割の方が1Bのタイプという事になるようです。

叔母はというと日本人には少ない2Aというタイプで、日本人全体の15%ですのでレアな型という事になります。

注意したいのは日本では1型と2型がほとんどなのですが、海外では1型~6型までありますのでくれぐれも海外で感染しないよう気を付けた方が良いかもしれませんよね。

それぞれの特徴で言えば、C型肝炎の治療薬として有名な「インターフェロン」という注射がありましたけれど、1Bのタイプでウイルスが多いとインターフェロンが効きにくいのだそうな……。

そうなるとマヴィレットのようなお薬を処方されるのかもしれませんよね。では次にマヴィレットの処方条件についてお話しますね。

マヴィレットを処方される条件について

この薬は肝機能がある程度なくては処方していただけません。事前に検査を行い肝機能がどの程度働いているのかを検査します。

処方できるのは採点式で10点以下であることが条件だったかな?項目は次の通りです。

【点数の内訳】

  • 腹水
  • アルブミン
  • ビリルビン
  • PT
  • 脳症

叔母の場合は6点だったので治療が可能という判断をされました。ちなみに型ですが検査をした時に「ゲノタイプ」という項目のところに「2A」とかの型番が入ります。

C型ウイルスの量についてですが、血液検査の項目の「HCV/リアル」という項目のところに数値が書かれています。

多少肝機能の低下がみられたとしても(CT検査でわかります)血液検査の状態が良ければ処方されるという事になるようです。

項目の点数については担当医の方の説明を受けてください。個人差があるので!

では次にマヴィレットで治療を行う時の注意点についてをお話します。これはどの人でも同じなので詳しく書いておきますね。

マヴィレットの治療が始まったら!

まずウイルスの量がどのくらいなのかや身体にどのくらいの影響を受けているのかによって治療期間が決まります。

8週間の治療をする方と12週間の治療をする方に分かれますが、全ての方が絶対に守らないといけない事があるので気を付けましょう!

それは飲み始めたら決して飲み忘れてはいけない!という事です。

ウイルスも生きていますから攻撃されたら抗体を作ろうとします。自分たちを守るために当然の事なのですが、マヴィレットを飲み続けると抗体を作る暇がありません。

ですが一度でも抜けてしまうとすぐに抗体を作ってしまうのですね。耐性菌となってしまった場合はもうマヴィレットを飲んでもウイルスは弱りません。

それどころか耐性菌が増えてしまって治療ができなくなってしまうのです。そうなるともっと恐ろしい事が起こってしまいます。

それはマヴィレットがダメなら他に治療法が無い!という事です。

実はマヴィレットともう一つ別の薬があるのですが、同じような効果があるので耐性菌には効き目がありません。つまり一生C型肝炎を抱えていかないとならないという事です。

C型肝炎は発症していないキャリアだとしても、肝臓はどんどんダメージを受けていきます。その内に組織の繊維化が続いて肝硬変になり、やがて肝がんを発症して命を落とします。

徐々にではありますが、必ずこの道をたどっていく事になるわけです。発症する年齢はそれぞれですが60歳を超えるとリスクは高くなっていきます。

だからマヴィレットの処方が始まったら必ず完治する必要があるのですね。

マヴィレットの薬価について

この間の記事で書いたように、マヴィレットというお薬は非常に高いお薬です。インターフェロンが1本1万円~2万円程度なのに対して、マヴィレットは1個の薬価が24,180.2円です。

そして処方されたら3個を一度に飲まないとなりません。昨日は4~5万円だと書きましたけれど、実際には1シート(3個がセットになっている)72,541.8円という事になりますね。

かなりの高額です。こんなの一般の人が飲めるわけがない!と思われるでしょう。確かに1シートが72,541.8円なんて無理に決まっていますけれど、助成が使えるので治療は無理ではありません。

助成についてはまた次回にお話ししていきますが、とにかくマヴィレットという薬はとても高額なお薬なのです。飲み忘れたら命に係わるだけではなく、高いからもったいないですよね!

ええと、叔母の場合は8週間毎日3個ずつ飲み続けるので、合計で4,424,976.8円という事になります。本当に新車1台分治療にかかるんですねぇ……。

では最後にマヴィレットを飲むとどんな副作用があるのかについてと、マヴィレットの投薬治療を行った事による死亡例についてのお話をして終わりにします。

マヴィレットの副作用と死亡例そして因果関係

担当医によるとマヴィレットには副作用があるようです。それはそうですよね。ウイルスを退治するための薬なのだから、副作用が無い方がどうかしていますよね。

患者さんも副作用についてはすごく知りたいところなので、その部分についてはしっかりとお話をされるそうです。それによると現在マヴィレットの副作用として報告されているのは次の通りです。

【マヴィレットの副作用】

  • 頭痛
  • 吐き気
  • そう疹
  • 発疹
  • 倦怠感や疲労感
  • ビリルビンの増加やATLやGPTの増加

特に痒いというのは皆さん感じる事のようですね。先生も「何か副作用がありますか?」と聞いても、最初は痒い感じがしたけれど特に気にはならなかったという回答が多かったようです。

ただたった一人だけ「発疹」がひどかったと言っていましたが、治療が終わればその副作用ともさよならですからね!それに一人を除いて全ての人が副作用は感じなかったと答えているので安心できます。

最後といっておきながらもう一つだけ加えておくと、飲み合わせが悪い薬があるようなので医師の話をよく聞いてから飲みましょう。

もしも何か他の病気の治療があって、その治療のために薬を飲んでいるのならば、一緒に飲んでもいいかどうかを聞いてみると良いでしょう。

というか、専門医の先生なので飲んでいる薬と合うかどうかをチェックしてくれるでしょうけれど、万が一という事なるので飲み合わせについてのお話をふると良いかもしれませんね。

お話を聞いた医師が言うには処方した患者さんの中で、1名だけ死亡例があるそうです。その方は高齢の方で因果関係はいまだにわからないそうです。高齢者でしたから他の事が原因で亡くなられた可能性が高いとの事でした。

マヴィレットを飲める年齢ともしも飲み忘れたら!?

これも気になるところですよね。医師に聞いたところこの薬を飲み忘れてはいけないという事でしたが、飲み忘れた事に気づいた時に16時間以内だったら飲んでくださいとの事でした。

でも16時間を過ぎていたらもう飲んではいけませんという事でした。年齢についてですが高齢者の方も治療をしているようです。

先生の話では90歳以上じゃなければ治療をすると言っていました。だから今70代でもまだまだ治療が可能という事になります。キャリアの方で発症していない方の最後の希望という事になるでしょう。

あとがき

今回はC型肝炎の治療薬『マヴィレット』についてのお話をいたしました。もしC型肝炎の治療をしたいと検討している方は、この機会に病院で検査を受けてみてはいかがでしょうか。

そうそう!本当に最後に一つだけお話しておきます。マヴィレットというこの薬ですが、ものすごく大きな粒です!

縦2cm×横7mmくらいありますよ!これを一度に3つ飲まなくてはならないので、薬が苦手という方には苦労するかもしれません。バファリンを横に並べたくらいの大きさがあり、厚みはカプセルと同じくらいあります。

飲み方を工夫されるといいかもしれませんね。

今回のお話が少しでも多くの方のお役に立てれば幸いです。悩んでいるのならまずは病院で検査だけでも受けてみてはいかでしょうか!

医療助成についても次回触れてみたいなと思っています。楽しみにしてくださるとうれしいです。

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