網膜色素変性症(指定難病90)の内容と進行

病気&ケガ

網膜色素変性症は指定難病です。眼の網膜に先天性の異常があるため、徐々に症状が出始めて目が見えなくなる病気です。今回は叔母が実際に発症している難病の紹介をするので、進行が気になる方はぜひご覧ください。

網膜色素変性症(指定難病90)とは

網膜に異常をきたす遺伝性で進行する病気です。網膜は視野に関する部分で、徐々に視野が狭くなって周囲が見えにくくなっていきます。さらに色素をつかさどる部分でもあるため、色の判別が難しくなる特性も持っています。

また、視野が狭くなるだけではなく、中心部の視覚が見えにくくなるため、周りは見えるけど中心部分が見えなくなるなどの症状も出てきます。難病に指定されており申請すれば認定を受けられます。

現在日本では、4,000人~8,000人の患者がいるとされていて、叔母もその一人として難病と認められています。難病というくらいなのでもうおわかりと思いますが、治療方法は今の日本では存在していません。そして進行性の病気なので最後は失明するといわれました。

治療法はないが海外では改善する方法が試されている

イギリスやアメリカなどの医療先進国では、すでにこの病気の治療方法が試されている段階にあります。そのひとつが人工網膜の移植による視野の回復や色素以上の改善です。

一定の効果が認められているため、日本でも近い将来認可されれば人工網膜による治療が行われるかもしれません。しかし日本は認可されるのが非常に遅い国なので、失明してしまう方も多いのではないかと考えます。

では次にどんな感じで病気が進行していくのか、叔母を例にご紹介していくので参考にしてみてください。

進行速度と症状の変化(叔母の例)

叔母が目の異変に気付いたのが30代の頃でした。それまではバイクや車の免許を取得して運転をしていましたが、周囲がよく見えないと感じたり、夜になると目が見えにくいため運転をやめたそうです。

そこから夜目が見えない、いわゆる鳥目状態になったため病院を受診すると、そこで「網膜色素変性症」と診断されたようでした。そこからは進行を止める薬が処方されて現在に至ります

網膜色素変性症はさまざまな合併症を引き起こすとされており、叔母のケースでは眼圧が上がる緑内障や白内障を併発していました。現在でも眼圧を下げる薬と瞳の傷を修復する薬が処方されています。

薬を飲んで目薬を毎日つけていても瞳に傷がつきやすく、そのたびに痛くて涙が止まりません。ムコスタという目薬を処方していただき、毎日点眼しているようです。

症状は良くなったり悪くなったりを繰り返しています。現在叔母は73歳ですが、右目は完全に失明してしまいました。左目は光を感じる程度でほぼ人の顔の判別は不可能です。

人工網膜の手術ができれば視力の回復が期待できるかはわかりませんが、新たな治療方法が見つかれば叔母は喜んで受けるでしょう。

難病指定の認定のメリットと申請方法

網膜色素変性症は指定難病です。指定難病90なので申請をすれば認定を受けられます。認定を受ければ網膜色素変性症の治療費が無料になるため、診断された場合は申請をするのをおすすめします。

申請するためには書類が必要です。その書類は市役所でもらってください。それを検査ができる病院へと持って行き、検査の結果を医師に記載してもらいます。

その書類は医師から直接市役所の担当部署に届くので、そこで認定されれば認定書が届き、治療費が無料になります。叔母のケースでは病院で検査を受けて1か月後には認定されましたので、そんなに時間がかかるものではありません。

生活の質を向上させるアイテム

叔母の場合はすでにほぼ見えない状態なので、生活の質の向上は難しいですが、失明までには長い時間がかかりました。約40年ですからその間にあれば良かったと思うアイテムを紹介します。

ちなみにこれは医師もおすすめしていたアイテムなので、ぜひ参考にしてみてください。実際に使っているものもあります。

拡大鏡(スマホ・パソコン)


徐々に視野が狭くなり中心部分が見えにくくなるため、細かい画像や文字はほぼ見えなくなります。そのため、今まで使っていたスマホやパソコンの文字が判別しにくくなってしまうのです。

実はメガネなどを使ってもあまり効果がないため、拡大鏡があるとすごく助かるらしいです。また、メガネタイプの拡大ルーペなどもおすすめです。

大きな文字のリモコン


テレビなどのリモコンが見えなくなります。そのため大きなボタンのリモコンがおすすめです。叔母の場合も付属しているリモコンはほぼわかりません。謝って別のボタンを押したりしてイライラするようです。

しかし最近は大きなボタンのシンプルなリモコンが売っています。そんなリモコンを使えばイライラせずにチャンネルの切り替えや電源のオンオフが可能です。

UVカットのサングラス


紫外線が瞳に与える影響は大きく、特に白内障や緑内障などの合併症を起こした叔母は、UVカットできるサングラスを医師からすすめられました。瞳の損傷を紫外線から守るだけでも進行速度が若干ですが遅らせられます。

少し濃いめのサングラスを購入しましたが、これは光がまぶしく感じる症状があるからです。しかしあまり濃すぎると鳥目が発動して見えなくなるため、見える範囲の濃さを選ぶのがコツです。

あとがき

今回は、網膜色素変性症について紹介してきました。治療法がないなど不安をあおる結果になってしまったかもしれませんが、叔母にとってはこれが現実です。

発症する年齢は人によって違うようですが、30代頃から気づく方が多いようなので早期発見と早期治療を行い、少しでも進行を遅らせて人工網膜の移植が日本で行われるまで視力を失わず保ってください。

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